株をやるなら必ず目にする「エリオット波動」。提唱者のエリオットさんは、現在のように世界中に自身の波動論が広がることを知らずしてこの世を去りました。

「エリオット波動」の基本は、
1(上げ)→2(下げ)→3(上げ)→4(下げ)→5(上げ: 頂点)→A(下げ)→B(上げ: ダマシ)→C(下げ: 底)
からなります。

しかし、実際は、どの波がそれぞれの番号に当たるのかを見極めるが難しいです。

その難しさを理解し、自身がエリオット波動を習得するのに苦労された経験から、「日本語」で解説することを目的に作成されたのが「エリオット波動研究」です。


エリオット波動を勉強することで、「トレード判断能力が ”大幅に” 鍛える」ことができるのです。これはすごい!と期待しつつページをめくっていくと…

初っ端の「プロローグ」で、「エリオット波動理論を学んでも正確に相場予想をすることはできない」と断言されます。

なぜ「エリオット波動理論」を学ぶのか?

ではなぜ「エリオット波動理論」を学ぶのでしょうか?その答えも「プロローグ」にあります。

それは、チャートを目の前にした時に
1. 自分がエリオット波動のどの位置にいるのか?
2. これからのトレンド方向の見極め
3. 頂点・底の推測
を判断するときの判断がしやすくなるというのです。

例えば、ある銘柄を買おうとするとき、第3波なら入るのが遅いということです。

その後の第4波で下げ、そして最期の第5波が1番加熱する瞬間です。プロはここで底値で購入した玉(ぎょく)を売りさばきます。

だからこそ、自分が銘柄を購入するときに、その銘柄が現在どの位置にあり、今後のトレンドがどうなるかを予想しておくべきという話になります。

ついついウルフ銘柄を知ってしまうと、「我先に買わなくては!」と鼻息荒く買い急いでしまいます。「下がった押し目に入ること」とウルフ先生は何度も強く注意されます。

もちろんエリオット波動理論は、ウルフ銘柄を買うときも役立ちます。

エリオット波動理論は人間心理に基づく

エリオット波動を見ると、上がったり下がったりを規則的に繰り返している事が分かります。

「本当にそうなるのかな?」と思ってしまうほど、エリオット波動理論に出てくる図は明快です。複雑な動きですが、引きでみると明確です。

これらの波動の動きは、「人間心理」に基づいた相場の動きを表しているというのです。

この本の半分以上は、各段階の波の細かな動きをカタカナを交えて説明されています。この部分は頑張って読みすすめましょう。

ここを過ぎてからが面白くなります。

利益・損失の比率でリスク管理

「リスク・リウォード・レシオ」は、
想定される利益(リウォード)を
失敗したときの損失(リスク)で割ったときの比率です。

「エリオット波動理論」では、この比率が「 2 」以上のときにインするように勧められています。

と、同時に「成功確率」を上げることでトレードで成功するポイントであると指摘します。

ところが「利益・損失の比率」と「成功確率」の均衡を保つ難しさもあらかじめ教えてくれます。

その難しさとは、「成功確率」を上げようとすると、インする時期を逃してしまう可能性が高まってしまうというのです。

ウルフスクール生は、もちろんこの「成功確率」をあげるための方法を知っています。週足RCIと週足RCIですよね!

損切りポイントはここに入れる

個人的に特に気になるのが「損切りポイント」つまり「逆指値」の位置です。

「仕手株投資をしている」という意識から、「急な下落は普通のこと」となめた態度を取ってしまい、逆指値を入れない失態を2回はしています。

「エリオット波動理論」では、
買い: 大階層の波動であることを確認した、第5波(底値)の手前の波
逆指値: 第5波の底値
と教えてくれます。

また、逆指値の設定について大切な指針を示しています。

それは、逆指値を「何円下がったら」で入れるのではなく、「エリオット波動」で指し示されたライン以下になったら即損切りせよということです。

だからこそ、第5波の手前でインして、第5波の底値に逆指値を入れることが、波動分析から考えたときに適切な考え方というのです。

う〜む、恥ずかしながらそんな逆指値の入れ方をしたことがありませんでした…

ダウ理論とフィボナッチ数との関係

ダウ理論との類似性も指摘されています。ダウ理論のうち、相場トレンドを時間の長さで3つに分けています。

この3つの分け方が、エリオット波動の「プライマリー波」「インターミディエット波」「マイナー波」に考え方がほぼ同じです。

また、私がやっと気にし始めた「平均株価」が相場トレンドが上昇トレンドまたは下降トレンドになったかを判断するための手段であることが書かれています。

アメリカの場合は、「NYダウ」「ダウ輸送株平均」の両方が同じトレンドを示すことで判断します。日本ですと、「日経平均株価」ですね。

そして、「日経平均株価」が影響されるのが「米国ドルインデックス」と「米国長期金利」であることをこの本で知りました。

フィボナッチ数とエリオット波動との関係は、まず波の数が、8波動、13波動、21波動とあてはまります。

ただし、フィボナッチ比率とフィボナッチ時間数列については、有効な活用手段が見いだせていないそうです。

関連はありそうだが、実際には使えそうで使いにくいのが現状のようです。

まとめ

初めはこんな難しい本を理解できるのだろうかと思いました。それは、本を開くとチャートの波の模式図がずらりと並んだ上、英語の単語ばかりだからです。

これは覚えきれない〜と諦めそうになったのですが、グッとこらえてページをめくりました。

すると、半分以上過ぎて実践問題に差し掛かった頃から実際のトレードとの関係が出てくるようになりました。

特に、損切りポイントとタイミングは私の1番興味のあるところであり、苦手とするところです。

今回、エリオット波動の波動のタイミングで損切りラインを決めるという私にとって新しい考え方を知ることができてうれしかったです。

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