国立科学博物館付属ホテル「かはくハウス」

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日本の宝を保管中

研究利用がメインです

長期滞在可能?



<結論>
宿泊施設も備えた
日本が誇る国立科学博物館


更新日: 2019年2月18日

日本には日本の宝を保管している「国立科学博物館」があります。「国立科学博物館」と聞いて、ほとんどの方が思い出すのは上野にある展示館です。

ところが「国立科学博物館」は、展示館だけでは成り立ちません。展示されているのは、保管されている資料の一部です。

では、保管されている資料はどこにあるのでしょうか?それがつくば市にある「筑波研究施設 国立科学博物館」です。

筑波研究施設 国立科学博物館
http://www.kahaku.go.jp/institution/tsukuba/index.html


アクセスは、東京から秋葉原で乗り換えて、つくばエクスプレス約1時間で「つくば駅」へ。そこからバスで15分、徒歩で10分です。

バスは、テクノパーク大穂行き(5番乗り場)に乗り、「筑波実験植物園前」で降りるのが便利です。

筑波研究施設は、資料の保管がメインと言いましたが、こちらでは生きている植物が展示してあります。

展示されている植物は、上野ではとても管理できない大型のもの、熱帯のものなどが施設園内や温室で育てられています。

当然、日本ではなかなか見ることのできない種類があります。バス停から10秒でミュージアムショップもありますので、待ち時間にお土産も買えます。


今回の目的

今回、筑波実験施設にお邪魔したのは、「スゲ標本の名前付け」のためです。「名前付け」のことを「同定(どうてい)」と言います。 

*種名が合っているときに標本に貼り付けた紙片
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*名前をつけたり、付け直したときにつけた同定カード
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どちらも科博の学芸員の方が作ってくださいました。感謝!

植物標本は、野外から生植物を新聞紙に挟んで持って帰り、室内ですと乾燥機にかけて完全に乾かします。このとき植物標本に植物の名前がついているとは限りません。

名前の付いていない標本でも「いつどこで誰が」採集した標本かが分かれば後でも名前をつけることができます。

この「後で」というのが意外と難しくて、植物の取り方によっては名前をつけるのに時間がかかる場合があります。

これが積み重なると植物を採集した本人も標本があるのを忘れてしまったりして溜まっていきます。下手すると10年、20年はそのままです。

名前の付いていない植物標本は、種名別に整理することができないので博物館側でもお手上げです。そこで、専門家の力を必要とします。

今回、すげの会は国立科学博物館さんのお招きに預かり、2019年2月16-18日に標本同定会を開催することになりました。

私も参加させていただき「さて、宿泊は?」となりましたら、なんと筑波研究施設内にある宿泊所「かはくハウス」を利用させていただくことになりました。

「かはくハウス」は、研究のために短期から長期滞在できるホテルです。スゲの収蔵されている建物まで歩いて10分です。便利!

ちなみにコンビニも宿泊所から歩いて5分、セブンイレブンがあります。


「かはくハウス」の実力とは?

これまで筑波研究施設には何度も通っていたのですが、宿泊は今回初めてでした。簡易的な部屋だろうというのが私の予想でした。

入ってみると「普通に住める!」快適なお部屋です。玄関入ってすぐの右手に洗濯機があります。乾燥機付きの洗濯機なのでほっといたら乾燥まで終わります。

次にお風呂場があり、トイレがあって、ベットルームです。風呂・トイレ別。ベランダも完備、木々が植えられており和みます。

洗濯粉、ボディソープ、シャンプー・リンス、トイレットペーパー、食器(カップ、コップ、お皿、スプーン、鍋など)、テレビ、コンセント、湯沸かし器、冷蔵庫、各種タオル、シーツ、枕カバーも完備です。

必要なものは着替えと歯ブラシだけです。

ドライヤーが必要な方はご自分で。私はエアコンで乾かしました(笑)あと、ポットがあるのでコーヒー粉(1杯分ずつに分かれているやつ)があればバッチリです。

私は同時に宿泊した方にいただいて大変重宝しました。コーヒーを買いに行かなくて済みました!これ思いのほか重要でした(笑)

2月16-18日に利用しましたが、夕方に部屋に入ったとき、すごく寒かったです。特に床。冷たいことこの上なし。部屋に入ったらすぐにエアコンのスイッチを入れておきましょう。

お湯はスイッチを入れてから2分くらい出しっぱなしにしていないとお湯が出ません。ちょっと焦ります。

洗濯機は乾燥まで完全に済ませようとすると、3-4時間かかります。隣の部屋には響かないようなので(確認済)夕方から使っても大丈夫そうです。

「かはくハウス」の利用は、一般の方はできません。学術利用のために来られる方のために職員の方が部屋を予約してくださって初めて使えるようになります。

国立科学博物館ホームページを検索しても出てこない施設です。

私は宿泊前に部屋の設備を確認しようとしたら、ホームページの関連施設のページにはないので焦りました。

以前お泊りの方がおられたので、わざわざ問い合わせしたほどです。だからこそ、当初は期待していませんでした。

とはいえ、家族利用もできる大きめのお部屋もあり、長期滞在も苦になりません。素晴らしい。海外の研究者も安心ですね。


まとめ

海外の調査でネックとなるのが、飛行機代もさることながらホテル代と地味に効いてきます。あまりに安いと安全面が心配ですし、高いと日数取れません。

その点「かはくハウス」なら、国内外からの研究者の皆さんが日本の資料をじっくり研究できる時間が取れます。

やはり、日本を代表する研究機関はこれくらいの設備はあってしかるべきと思ったのでした。


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