*残念ながらKindle版はありません。

株関連の本が多めだった【週末読書】ですが、いきなりスピチュアル全開のタイトルで驚かれた方も多かろうと思います。

ところが、この本、私は何度も読み返しています。

その理由は、スピチュアルな物語部分ではなく、実践的な「資産の積立方法」が書かれているからです。

老後2,000万円問題が日本で話題になりましたが、その話が出るよりももっと前(2015年発行)のこの本がその資産の貯め方を教えてくれていたのです。

特に第5章から第7章、むしろ時間がない方は第7章だけ読んでください。

第5章 確実に貯蓄を増やす魔法のステップ
第6章 お金と感情のコントロール
第7章 確実に殖えつづけるピラミッド式資産運用

第5章では、資産運用する前の準備段階となる「貯蓄」の方法が書いてあります。簡単に言えば「給料天引きによる貯蓄」です。

ドクターは、この天引き貯蓄口座を「不滅口座」と呼びます。

天引き率は「収入の10%」です。

収入20万円の方なら「2万円」です。自分で振り込むようにするとやらなくなるので「天引き設定」が推奨されます。

天引き貯蓄が習慣化するまで最低「6ヶ月から9ヶ月」の実施が求められます。

習慣化した貯蓄をもっと増やす方法が提案されます。それが「3ヶ月ごとに天引き価格を10%増やす」ことです。

最低「1%、最高10%まで」、天引き貯蓄をしながら貯蓄金額自体を増やすのです。

p.139には、3ヶ月ごとに10%増やしたときの貯蓄額とその貯蓄合計金額の表があります。

最初1ヶ月目5万円だった貯蓄合計は、3ヶ月10%アップの法則で、17ヶ月目に貯蓄合計100万円を越えます。

さらに、24ヶ月(2年後)には、170万円を越えることになります。

月5万円貯蓄できるのは、月50万円の収入もあるからだろ!と終わるのは簡単です。

私は、この表に素直にしたがい、Googleカレンダーに貯蓄日を入力し、メール通知が来るようにして貯蓄を継続しました。

2015年発行のドクターの本、私がこの本を読んだのがおそらく2年前、そして現在、私が貯蓄として初めているのが以下の通りです。

<私の投資先>
さわかみファンド
つみたてNISA(eMAXIS Slim 全米)
iDeCo(さわかみ)
THEO
WealthNavi
コドモファンド
純金積立
仮想通貨
VOO(米国株)←NEW

ベースとなる「貯蓄」ができたから、ステップアップできたのです。ベースとなる貯蓄のことを「クッション口座」と呼びます。

第6章では「クッション口座」の概念が丁寧に解説されます。

天引き貯蓄で貯まったお金は、自分に自信をもたらします。

「まとまったお金」は、お金に関する次のアクションを起こしやすくしてくれる力があるのです。後ろ盾です。

「まとまったお金」の基準は、収入の違いや家族構成により異なります。

自分で判断すれば良いのです。収入3ヶ月分の方もありますし、年収1年分を考える方もおられます。

逆に言えば、不滅口座やクッション口座による裏付け自信がないととても投資信託なんてかえません。私はそうでした。

投資信託を毎月ドルコスト法で購入すると間違いなく増えると言われても、投資信託の基準価格が購入金額より下がるリスク(恐怖)を受け入れられるのかという話です。

このリスク(恐怖)を受け入れられなかったがために、私は勝間和代さんが2007年に出版された「お金は銀行に預けるな」を読んで10年間も行動に移せなかった理由です。

その行動とは「投資信託を毎月1万円ずつ積立投資する」です。

今考えると「何であんなに悩んでいたのか分からない」レベルにまで成長した私ですが、当時は、証券会社に口座を開くことすら高い壁でした。

第7章では、私が「不滅口座」による「クッション口座」でリスクという恐怖感を乗り越え、投資へとうながしてくれた「ピラミッド式投資法」が提案されます。

p.175には、不滅口座(クッション口座)をベースとして、徐々にリスクの高い投資に振り分けていく図があります。

リスクは金利のことで、リスクが高い投資対象への金額は、低い投資対象より少なくなるように設定されています。

このページで「バランス型投資信託」「インデックスファンド」という言葉が出てきます。

リスクが一番高い最上段は、11−13%のリターンが期待できる銘柄を選びます。「ワラント債」「オプション取引」「ヘッジファンド」という言葉が並びます。

まだ私はこの最上段がおすすめする取引をしたことはありませんが、少しずつ上の段への挑戦が私なりに進められているように感じています。

もちろん、この本だけで今の投資対象を増やしたわけではないことは確かですが、私の投資に対する考え方を変え、背中を押し、行動に結びつけてくれた本のひとつです。

だからこそ、何年経った今でも折を見て読み返しているのです。

不動産投資を最初は勧めないこと、資産の見える化でお金の成長をしっかりと見守って管理すること、ドルコスト平均法を意識して長期投資をすることの大切さが身に染みてわかります。

と、第5章から第7章までを読み深めますと、自然と前後の章に何が書いてあるか気になるようになります。

そこには、無一文だったドクターが現在の地位と財産を気付き上げるまでの思考の流れと経験を知ることができます。

老後の資金の計算方法は、第3章、p.73にあります。「年間利息だけで1年の生活費を生み出せるか?」など気になるタイトルが続きます。

お金を貯めるためには、その前に心の持ち方とあり方を変えなければいけないこと、そしてその心に伴う行動を実際にしなければならない、ということが理解できます

このあたりが当初「スピチュアル」と表現したあたりとシンクロしてしまうのです。スピチュアルは、怪しげなものばかりではありません。

実際に私の生活と考え方、行動を変えるために出会うべくして出会った本と言えます。

本体1,600円+税ですが、それ以上の価値はあります。


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