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「いや〜良い本読んだな〜」
というのが正直な感想です。

その理由は、この本に書いてあることを教えてくれる人や機会が歳を取るにつれてなくなっていくからです。

この本に書いてあることは「人生という流れに気持ちよく乗って時間を過ごす方法」です。

生きることは、自分一人ではなく家族という一番近しい他者から友だちや学校の同級生、会社の同僚、いつも行くコンビニの店員さんや一度だけすれ違うだけの他者との関係から成ります。

SNSの発達した現在では、それらに加え、一度も会ったことがないのに「他生の縁」を感じさせる存在もあります。

そのような数多くの他人との関係をどうするかは、日々の選択と後悔の繰り返しによって形づくられます。

「すべての他者との関係が上手くいく」
ことは「あり得ない」と薄々ながらも全員が確実に思っている状態でどう生きるか、

というよりも、どのような考え方で自分の人生という船を漕いで行けば良いのかを考えるきっかけとなる本がこの「流れをつかむ技術」です。

当初読み進めるにあたり、私が感じたのは、著者の桜井さんと株の女王こと「ウルフ村田」さんがおっしゃっていることが似ていることでした。

お二人とも「流れ」「リズム」を感じることを重要視しておられますし、

桜井さんが麻雀に初めて出会い友人の後ろでルールを覚え、点数計算をすぐに理解し、その日に打った配牌をすべて記憶して記録していたこと、

ウルフ村田さんが毎日株式ランキングをチェックして即座に記憶し、毎日深夜まで誰よりも努力し、それを他人にTwitterや有料ではありますが「月刊ウルフ」で惜しげもなく公開しておられること、

それらを考えた上で「流れ」「リズム」を重視している点が共通していることに感動というよりも「納得」しました。

「何も考えなくてもいつのまにかしてしまっている」
「息を吸うようにできてしまう」

ことは、本人にとっては簡単なことでも、それができない人にとっては苦痛以外何者でもありません。

もちろん、できてしまっている本人にとってもできない他者をできるように仕向けることは、

自分の行為を一度、客観視して文章化し、言葉として表現しないといけないため、苦痛以外何者でもありません。

巨人の長嶋さんが野球少年を指導するようなもので「来た球を打てば良いんだよ」と諭したところで、方法論を聞きたい少年はがっかりするだけです。

しかし、桜井さんとウルフさんは、その苦痛をあえて引き受け、他者の人生に積極的に関わり、むしろ良い方向に持っていくという賽の河原の石を積み上げる行為を何年も繰り返しておられます。

桜井さんとは本でしか対話することができませんが、Twitterで毎日ウルフ村田さんのツイートを追いかけていますと、相当お疲れがたまり、いつか倒れてしまうのではないかと心配してしまいます。

不特定多数の他者がウルフさんの思うような線路に乗らず、いきなり上から飛び乗ってくるような感覚を感じてしまうのです。

実際に「ウルフスクール」へ入校し、卒業した私ですが、今だに入学金ですら稼げていない状態にも関わらず、

生のウルフ村田さんとお会いしたときのオーラやパワーを直で感じられたことは今でも宝物です。

恩返しとしては、株で1億円儲けることなのですが、今だに達成できず申し訳なく思っております。「いつか見ていろ、俺だって」

この「いつか見ていろ、俺だって」のフレーズは、ウルフ村田さんが私をはじめ目標金額まで達成できていないであろう仲間に向かって「諦めるな、私がついてる」と叱咤激励してくださった言葉です。

桜井さんもご自身の「雀鬼会」で、いくら会の中で、なかなか自分の殻を破れない、ある種「真面目」な方を絶対に見捨てません。

他者との関係を通じて「いつのまにかできるようになる」ことを信じているからです。

そこで必要なのが「待つ」という行為です。

「待つ」ってすんごく大変な難しい行為のひとつです。私のように歳を取れば取るほど、せっかちに輪がかかるようになると、正直、待てないです。

「待つ」の中にも、「自分に対して待つ」場合と「他者に対して待つ」場合があります。

自分に対して待つ場合は、自分は自分を甘やかすことができますので、大きな問題に発展することはまずありません。

他者に対して待つ場合は、精神的な苦痛を味わう行為となります。誰しも自分のリズムや時間の流れ、計画を守りたいからです。

「何で出来ないの?」
というのは簡単なのですが、言われる側にとってみると涙が出るほど辛いことです。

それが分かっているから桜井さんやウルフ村田さんは「待てる」。対象としての他者に「期待」があるからです。

特に自分を先生として集まってくださる生徒さんにとっては、お父さんであり、頼もしいお姉さんであるのでもちろん可愛い。

可愛い子たちには、幸せになってもらいたい。

この期待と、もうひとつ重要なのが、自分自身がすでに人生に満足していることがおふたりの原動力になっていると思います。

かたや20年間全勝無敗の麻雀士、
かたや20年以上の投資歴を誇る億万長者。

ご自身に質・実ともに余裕があるからこそ生まれる他者への関心。
この段階に是非とも到達したいものです。

そのためには、おふたりが息を吐くようにできてしまっていた「地道な努力」と「地頭力」が私にできるかどうかが大きな分かれ目となります。

そんな私を試すかのような「人生の質問本」。
これが「流れをつかむ技術」でした。



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